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盗賊の危険な賭け エイナリン物語第1部

書籍名 盗賊の危険な賭け エイナリン物語第1部 上・下巻
カテゴリー ファンタジー
著者名 ジュリエット・マッケナ
出版社 中央公論新社 C★NOVELS


実に久々の更新です。
最近本を読んでいなかったというわけではまったくないのですが、ついつい先延ばしにしてしまいました。

で、肝心の作品についてですが、まずは出版元から。
元々、ライトノベルの中でも比較的質の高いファンタジー作品(個人的にお勧めなのは茅田砂胡のデルフィニア戦記・全18巻)を提供してきた中央公論新社のC★NOVELSから翻訳物の第1弾の内の1つとして刊行されたのがこの作品です。

何といっても特徴的なのは訳者あとがきにもあるように、主人公が盗賊、しかも主に賭博などでコソコソ稼いでいるような、多くのファンタジー小説ではそれこそ雑魚として脇役にもなれなそうな小物感たっぷりの女盗賊。
彼女は、まぁ、多少の非はあったにせよ、何故かついつい口車に乗せられて魔術師のとんでもない騒動に巻き込まれてしまう。
この作品の良い所はキャラクターが非常に良いという事!
そして冒険の辛さを切々と主人公が語っているところもまた良い。
実際、少しでも山や何かを歩いたことのある人には世にある多くのライトノベルのあまりに現実味にかける旅の描写にはうんざりしていた筈だ。
それに比べてこの作品は一体どこに落ち度がある、と言いたくなるほどしっかりとした描写がある。
雨に打たれて全身水浸し、折角手に入れた食料もカビが生えて食べられない。おまけに主人公は船旅でひどい船酔いに悩まされる。

勿論、魔法も素晴らしい。ご都合主義的な物ではないし、魔法使いは完全無比の高潔な人物ってわけでもない。嫉妬に狂い墓穴を掘りまくる魔法使いがいれば、同性愛者の魔法使い、魔法に執着するあまり街を一つ壊滅させ追放された魔法使い、海賊家業を営んでいたような魔法使いまでいる。

そう、旅の描写と並ぶこの作品の魅力はキャラがたっていること。
一癖も二癖もあるようなキャラクターばかりで、読んでいて飽きることがない。

私の言葉ではその魅力を伝えるには不十分すぎるけれど、ライトノベル系ファンタジーには飽きた、でもハイファンタジーみたいに堅苦しいものは読みたくない、なーんて贅沢な悩みを抱えるファンタジーファンにお勧めの1作です。

続編に当たるエイナリン物語第2部「剣士の誓約」も上・下巻で発売中。第3部の刊行はまだ先のようだけれど、全5部作はそれぞれ単品でも楽しめる内容だと言うことなので、ぜひ手にとって見てください。



8月5日(土)03:51 | トラックバック(0) | コメント(0) | FT fantasy | 管理

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