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今まで読んだ本のレビューなど。
 


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図書館戦争

久々の本紹介は、なんとラノベ!

今まで紹介してきた内容からすると、お前、ラノベも読むのか!?
と驚かれそうな気がしてきますが……はい、普段は全く読みません。
中高ではホワイトハートやらティーンズハート、コバルト、ソノラマ、スニーカー、その他諸々のラノベレーベルを読み漁っていましたが、大学時代にすっぱり縁を切りました。
というか、ただ飽きただけ。

だったんですが、これは別!!
手にしたのが漫画化以降だったのを激しく公開しているくらいお薦めです!

ではまず詳細を…。





書籍名 図書館戦争 “図書館戦争”シリーズ 第1巻
カテゴリー (ミリタリー)ラブコメ
著者名 有川 浩(ありかわ ひろ)
出版社 メディアワークス




内容は、まあ……書籍の検閲が当たり前となり、それを阻止するために図書館が武装化した近未来というなんかぶっとんだ設定が舞台となってはおりますが……、その実態は少女漫画全盛期からの王道みたいなベタ甘小説です。

読んでいただければ分かると思いますが、砂吐きそうです。ニヤケが止まらなくなります。電車内での読書非推奨ぶっちぎりです。

現在、本編は全4巻で完結済み、スピンオフ第1巻が4月に発売予定となっています。

ベタ甘少女漫画や所謂乙女ゲー好きな方にはお勧めかもしれません。

今まで紹介した中で、一番糖度が高いです。
というか、今までは糖度が高めのものを紹介していなかっただけですが。

ハードカバーなので、分厚さにちょっと気が引けてしまうかもしれませんが、その読みやすさは折り紙つきです!
今更この歳でライトノベルなんて、と思う方でも大丈夫!
何せ、有川さんは“大人のための”ライトノベルを標榜されてる方ですから!!

糖分に飢えている方、活字でベタ甘を欲している方、欝の酷い方、最近笑っていない方、ストレスが溜まっている方などにお薦めです。

是非是非手に取り、楽しんでください。


有川浩さん公認、非公式応援サイト
『有川 浩、応援結晶』
http://www.geocities.jp/seishusironeko/





実は大学院に入ってから好きになったラノベシリーズがもう一つあったりするのですが…次回(いつの更新になるかは不明ですが)はそちらを紹介しようと思います。



1月15日(火)13:18 | トラックバック(38) | コメント(72) | ライトノベル | 管理

盗賊の危険な賭け エイナリン物語第1部

書籍名 盗賊の危険な賭け エイナリン物語第1部 上・下巻
カテゴリー ファンタジー
著者名 ジュリエット・マッケナ
出版社 中央公論新社 C★NOVELS


実に久々の更新です。
最近本を読んでいなかったというわけではまったくないのですが、ついつい先延ばしにしてしまいました。

で、肝心の作品についてですが、まずは出版元から。
元々、ライトノベルの中でも比較的質の高いファンタジー作品(個人的にお勧めなのは茅田砂胡のデルフィニア戦記・全18巻)を提供してきた中央公論新社のC★NOVELSから翻訳物の第1弾の内の1つとして刊行されたのがこの作品です。

何といっても特徴的なのは訳者あとがきにもあるように、主人公が盗賊、しかも主に賭博などでコソコソ稼いでいるような、多くのファンタジー小説ではそれこそ雑魚として脇役にもなれなそうな小物感たっぷりの女盗賊。
彼女は、まぁ、多少の非はあったにせよ、何故かついつい口車に乗せられて魔術師のとんでもない騒動に巻き込まれてしまう。
この作品の良い所はキャラクターが非常に良いという事!
そして冒険の辛さを切々と主人公が語っているところもまた良い。
実際、少しでも山や何かを歩いたことのある人には世にある多くのライトノベルのあまりに現実味にかける旅の描写にはうんざりしていた筈だ。
それに比べてこの作品は一体どこに落ち度がある、と言いたくなるほどしっかりとした描写がある。
雨に打たれて全身水浸し、折角手に入れた食料もカビが生えて食べられない。おまけに主人公は船旅でひどい船酔いに悩まされる。

勿論、魔法も素晴らしい。ご都合主義的な物ではないし、魔法使いは完全無比の高潔な人物ってわけでもない。嫉妬に狂い墓穴を掘りまくる魔法使いがいれば、同性愛者の魔法使い、魔法に執着するあまり街を一つ壊滅させ追放された魔法使い、海賊家業を営んでいたような魔法使いまでいる。

そう、旅の描写と並ぶこの作品の魅力はキャラがたっていること。
一癖も二癖もあるようなキャラクターばかりで、読んでいて飽きることがない。

私の言葉ではその魅力を伝えるには不十分すぎるけれど、ライトノベル系ファンタジーには飽きた、でもハイファンタジーみたいに堅苦しいものは読みたくない、なーんて贅沢な悩みを抱えるファンタジーファンにお勧めの1作です。

続編に当たるエイナリン物語第2部「剣士の誓約」も上・下巻で発売中。第3部の刊行はまだ先のようだけれど、全5部作はそれぞれ単品でも楽しめる内容だと言うことなので、ぜひ手にとって見てください。



8月5日(土)03:51 | トラックバック(0) | コメント(0) | FT fantasy | 管理

戦士志願

書籍名 戦士志願 【The Warrior's Apprentice】
カテゴリー SF
著者名 ロイス・マクマスター・ビジョルド(Lois McMaster Bujold)/著 小木曽絢子/訳
出版社 創元SF文庫


ロイス・マクマスター・ビジョルドの人気作品、「マイルズ・ヴォルコシガン シリーズ」から第1作、「戦士志願」の紹介です。

主人公はバラヤーという惑星の軍人貴族(ヴォル)の子息、マイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガン。
彼は念願の士官学校への入学も生まれながらの骨の障害の為に断念する羽目に。

マイルズが17歳の時に士官学校の試験に落ちた時から物語は始まる。
旅行に来たベータ惑星系でひょんなことから輸送船を手に入れたマイルズは、手っ取り早く資金を稼ぐ為に戦闘区域へと“農機具”を輸送する事になる。
そこから彼は病弱な体とは対照的な非常に優秀な頭脳と口の上手さを巧みに利用し、何も無いところから傭兵艦隊を創りあげ、実戦の指揮を執ることになってしまう。

これが第1作「戦士志願」の前半の内容。

宇宙戦やバラヤー帝国内に蠢く陰謀、魅力的な登場人物、巧みなストーリーテリング。
ビジョルドの描く物語は非常に面白い。
気付けば、小説の世界に引きこまれ、自分もまた登場人物たちと共にあるような気分になってしまう。

ヴォルコシガン・サーガとも呼ばれているこのシリーズ、日本版ではこれが第1巻だが、実は原書での第1作は彼の両親の話から始まっている。
こちらも非常に人気のある作品で、彼の出生について知りたい人に是非お勧めする。
また、原書に忠実に、と思う人はこちらから読み始めるのも面白いだろう。

ビジョルドはまた、ファンタジーも書いている。
スピリット・リングと言う読みきりの作品だがなかなかに分厚く、読み応えがある。
こちらも同じく創元文庫から出ている。
ファンタジーが好きな人はこちらからビジョルド作品に触れてみるのも良いだろう。



11月27日(日)22:01 | トラックバック(0) | コメント(0) | SF sience fiction | 管理

黒後家蜘蛛の会

書籍名 黒後家蜘蛛の会
カテゴリー ミステリ
著者名 アイザック・アジモフ
出版者 創元推理文庫

彼の有名なSF作家(トリビアの泉のオープニングでこの名を知った人も多いだろう)、アイザック・アジモフが書く、短編推理小説。

SF作家として良く名を知られるアジモフだが、実はSFの中にも推理小説の要素をふんだんに盛り込んでいたりもする。
純粋に推理小説を描いたものも多い。

その中でも一話一話が短く、読みやすいのがこれ。
創元推理文庫から5巻まで出ている。
アジモフが長年書き続けていた作品だが、著者が既に鬼籍の人である以上、未発表原稿が発見されるか、翻訳版に未収録の作品が大量にでもない限り、6巻が発売される事はないだろうと思われる。

作風もいたって明快で、毎回同じように話が進む。
それでいて、飽きが来なく、内容も様々なジャンルに及んでいる事からアジモフの知識の豊かさを知る事が出来る。
恐らくは、彼自身こそが20世紀最大のトリビア好きだったに違いない。

一読に値する作品だ。



11月24日(木)05:41 | トラックバック(0) | コメント(0) | ミステリ | 管理

宇津保物語

書籍名 宇津保物語
カテゴリー 日本文学
著者名 不明

琴の名手の主人公と不可思議な琴を巡る幻想小説(この言い方が当てはまるかは不明)。
父、娘、孫にまで亘る壮大な物語。
これはあらすじを載せると長くなってしまうので止めておきます。
面白い小説なので是非一度ファンタジー好きの方には読む事をお勧めします。

日本にだって、面白いファンタジーは昔からあるんです!!
言いようによっては竹取物語なんてSF小説です。
他の昔話だって御伽噺だってファンタジーですよ。
古事記なんて素晴らしい、壮大な伝説(サガ・ヴェーダ・レジェンド・etc)であり、ファンタジーです。
何か面白いファンタジーを読みたいという方、古典作品をお勧めします。
古文が読めなくたって現代語訳はたくさん出版されています。
中には結構有名な作家の現代語訳もあります。

是非一度、書店で、図書館で、古本屋で、手にとって1ページめくって見てください。
きっと、その先には楽しい世界が広がっている筈です。



11月24日(木)05:17 | トラックバック(0) | コメント(0) | 古典 日本 | 管理


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